- アレルギー性鼻炎とは
- 花粉症とは
- 花粉が飛ぶ時期
- アレルギー性鼻炎の原因
- アレルギー性鼻炎の症状
- アレルギー性鼻炎の検査
- アレルギー性鼻炎の治療法
- アレルギー体質改善のための食事
- 自力で症状を和らげるための対策
アレルギー性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎とは、花粉、ハウスダスト(ダニ、埃、カビ、ペットの毛等)といったアレルゲンによって引き起こされる症状です。鼻水・鼻づまり・くしゃみが三大症状となります。
花粉を原因とするものを「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」と呼び、アレルゲンとなる花粉が飛散する時期のみ症状が現れます。
一方でハウスダストを原因とするものを「通年性アレルギー性鼻炎」と呼び、アレルゲンとなるハウスダストがある限り、1年中症状が続きます。
花粉症とは
スギ、ハンノキ、ヒノキ、ブタクサ、シラカバなどの植物の花粉がアレルゲンとなって起こる鼻炎です。症状はアレルゲンとなる花粉が飛散する時期に現れますが、複数の花粉がアレルゲンとなり、1年中症状に悩んでいるという方もいらっしゃいます。
鼻炎とともに、結膜炎の症状を伴うことも少なくありません。
花粉症の治療は、花粉が飛散する前に開始するのが理想です。
花粉が飛ぶ時期
季節性 | |||
---|---|---|---|
ハンノキ(属) (カバノキ科) 飛散期間1~5月 |
スギ (ヒノキ科) 飛散期間1~5月 |
ヒノキ (ヒノキ科) 飛散期間3~5月 |
ハルガヤ (イネ科) 飛散期間4~10月 |
コナラ (ブナ科) 飛散期間4~5月 |
ブナ (ブナ科) 飛散期間4~5月 |
シラカンバ (カバノキ科) 飛散期間4~6月 |
マツ属 (マツ科) 飛散期間4~6月 |
オオスズメノテッポウ (イネ科) 飛散期間4~7月 |
オオアワガエリ (イネ科) 飛散期間4~11月 |
カモガヤ (イネ科) 飛散期間4~11月 |
フランスギク (キク科) 飛散期間5~6月 |
ギョウギシバ (イネ科) 飛散期間5~11月 |
ブタクサ (キク科) 飛散期間7~11月 |
ヨモギ (キク科) 飛散期間7~11月 |
アキノキリンソウ (キク科) 飛散期間8~11月 |
カナムグラ (クワ科) 飛散期間8~11月 |
イネ科 飛散時期4月~ |
蛾 5月~11月 |
ユスリカ 5~11月 |
空中真菌 | 通年性 | ||
アルテルナリア | ゴキブリ | ダニ | ペット(犬・猫など) |
アレルギー性鼻炎の原因
アレルギー性鼻炎の原因は、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)であるか、通年性アレルギー性鼻炎であるかによって異なります。
季節性アレルギー性鼻炎
(花粉症)
スギ、ハンノキ、ヒノキ、ブタクサ、シラカバなどの植物の花粉が、鼻腔内の粘膜に付着し、アレルゲンとして体内に侵入することで発症します。
通年性アレルギー性鼻炎
ダニやダニの死骸・糞、埃、カビ、ペットの毛、繊維くず、排気ガスなどのハウスダストが鼻腔内の粘膜に付着し、アレルゲンとして体内に侵入することで発症します。
アレルギー性鼻炎の症状
鼻水、鼻づまり、くしゃみは、アレルギー性鼻炎の三大症状としてよく知られています。そのほか、目や喉の症状を伴うこともあります。
- 鼻水
- 鼻づまり
- くしゃみ
- 目の痒み、充血(アレルギー性結膜炎)
- 喉の痒み
- 肌荒れ
- 頭が重い感じ
アレルギー性鼻炎の検査
鼻汁好酸球検査
アレルギー性鼻炎の多くで、鼻汁(鼻水)中の好酸球の増加が認められます。
特異的IgE抗体
採取した血液から、アレルゲンに反応するIgE抗体の種類や量を調べます。アレルギー性鼻炎の原因の特定に役立ちます。
皮内テスト
原因と思われる物質のエキスを、皮内に注射し、その皮膚の反応を観察します。
鼻粘膜誘発試験
鼻腔粘膜にスギやハウスダストの成分を含ませた紙片を置き、その反応を観察します。
どのような症状が現れるのかの判断、治療方針の決定、治療効果の判定などに役立ちます。
アレルギー性鼻炎の治療法
アレルギー性鼻炎の治療では、内服薬、点鼻薬、漢方薬などを使用します。耳鼻科を受診する方もいらっしゃいますが、内科でも同様の治療が可能です。
花粉症は、花粉の飛散が始まってから治療を開始しても、効果が得られにくいことがあります。花粉飛散予測日より1週間くらい前から治療を開始することで、より高い効果が期待できます。
どうぞ、お早めにご相談ください。余裕を持って、花粉飛散予測日の2週間~1カ月くらい前に受診されることをおすすめします。
アレルギー体質改善の
ための食事
アレルギー体質の改善が期待できる食べ物・飲み物をご紹介します。ただ、これらの食べ物・飲み物ばかりを摂っていては、栄養バランスが崩れてしまいます。大前提として栄養バランスの良い食事を摂りながら、プラスアルファとして意識的に摂取するようにしましょう。
ヨーグルト・乳酸菌飲料
乳酸菌が腸内環境を整えることで、免疫細胞の適切な調整が期待できます。きなこ、ハチミツ、バナナと一緒に食べると、より高い効果が期待できると言われています。
なお乳酸菌飲料は、無糖タイプがおすすめです。糖分を摂りすぎると、腸内環境が悪化する恐れがあります。
きのこ類・ゴボウ・海藻類
食物繊維が豊富なこれらの食品が、腸内環境を整えてくれます。
イワシ、サバ、サンマ、
マグロなどの青魚
アレルギー反応を引き起こす物質を抑制するDHA、EPAが豊富に含まれています。
チョコレート
カカオポリフェノールが免疫機能に働きかけ、アレルギー症状の抑制が期待できます。
緑茶
アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの働きの抑制が期待できるカテキンが多く含まれています。
コーヒー
花粉症の改善が期待できるクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)を豊富に含まれます。
また緑茶やコーヒーに多く含まれるカフェインは、ヒスタミンの働きを抑制する効果が期待できます。
ルイボスティー
アレルギー症状の改善が期待できるフラボノイド(ポリフェノールの一種)が豊富に含まれています。
自力で症状を
和らげるための対策
花粉を原因とする季節性
アレルギー性鼻炎の対策
- 花粉の飛散が多い日には家を出ない
- 外出時にはマスク・ゴーグルなどを使用する
- 上着にはツルツルとした素材のものを選ぶ
- 帰宅時には上着の花粉を払い落としてから入室する
- 帰宅後はすぐに手洗い、うがい、洗顔をする
(できればすぐにお風呂に入る) - 花粉のついた衣類はすぐに洗濯する
- お風呂からあがったらお肌の保湿をする
- 洗濯物は乾燥機で乾かすか部屋干しをする
- 空気清浄機を使用する
ハウスダストを原因とする
通年性アレルギー性鼻炎の
対策
- 小まめに部屋を掃除する
- 掃除の際にはマスクを使用する
- 衣類、カーテン、寝具などを小まめに洗濯する
- 布団は週2回以上干す、または布団乾燥機をかける
- 床は畳やカーペットを避け、フローリングにする
- ソファは布製のものを避ける
- 布製のクッションなどを置かない
- 空気清浄機を使用する