- こむら返りとはどんな状態?
- 足がつる・こむら返りの原因
- 寝ている時のこむら返りの原因
- 冬にこむら返りが起きやすい理由
- 妊娠中のこむら返りが多い理由
- こむら返りを伴う病気
- こむら返りが起きた時の対処法
- 足りていない栄養素や摂取すべきもの
こむら返りとはどんな状態?
こむら返りとは、ふくらはぎの筋肉起こす痙攣の総称です。「足がつる」などとも言います。
前触れなく突然、数秒~数分の痙攣とともに痛みが出現し、その時の筋肉は硬く隆起しています。重症例では筋膜・筋線維の損傷を伴う“肉離れ”となるため、痙攣が治まった後も数日間、痛みが残ります。
誰でも一度は経験しているこむら返りですが、基本的に病的なものではなく、たまに起こる程度でしたら心配する必要はありません。小まめな水分補給、栄養バランスの整った食事、ふくらはぎの温熱、運動・ストレッチなどで予防に努めましょう。
ただし、頻繁にこむら返りが起こる、最近になってこむら返りが頻繁に起こる、水分補給などの対策を講じても予防効果がないといった場合には、何らかの疾患を疑う必要があります。
足がつる・こむら返りの原因
筋肉の衰え
意識して運動をしなければ、通常は20代を境に全身の筋肉が衰えていきます。ふくらはぎの筋肉も同様で、衰えにより筋力や柔軟性が衰えることで、こむら返りが起こりやすくなります。
筋肉の疲労
スポーツ、仕事、趣味などでふくらはぎの筋肉を酷使すると、乳酸によって筋肉の収縮のコントロールがうまくいかなくなり、こむら返りの原因となります。
筋肉の疲労や筋肉痛があるときは、特に注意が必要です。
水分不足や薬による電解質異常
大量の汗をかいたり、水分補給がおろそかになったりすると、ナトリウムなどの電解質の不足に陥り、筋肉と神経の情報伝達が適切になされなくなります。その他、利尿作用のある高血圧の薬を服用した時なども、同様のリスクが生じます。
これにより筋肉の収縮が適切にコントロールできなくなり、こむら返りが起こりやすい状態となります。
冷え・血流が悪い
身体が冷えると血流が低下します。これにより、足先まで十分な血液が行きわたらなくなります。足の筋肉で酸素・ビタミン・ミネラルといった栄養が不足し、こむら返りが起こりやすくなります。
寝ている時のこむら返りの原因
寝ている時には意外に多くの汗をかいています。寝ているので水分補給もできず、脱水傾向にあります。また、日中のように身体を動かしているわけでもないので、身体も冷えがちです。
上記のような要因が重なることで、ふくらはぎの血流および栄養が不足し、こむら返りが起こりやすい状態となります。
特に、筋肉量の低下している50代以上の方では、就寝中のこむら返りの頻度が高くなると言われています。
冬にこむら返りが起きやすい理由
冬は、こむら返りのリスク要因となる冷え、血流の低下が発生しやすい条件が揃っています。また、夏場のように汗をかかないため、水分補給がおろそかになり、寒さから身体の筋肉は無意識に緊張してしまいます。さらに、寒さから身体の筋肉は無意識に緊張しています。
これらの要因が重なることで、冬場はこむら返りが起こりやすくなると言われています。
妊娠中のこむら返りが多い理由
妊娠中は、お母さんが摂取した栄養の一部が、胎盤を通して一部胎児へと移行します。この中にはもちろんミネラルも含まれており、その量によっては、お母さんがミネラル不足に陥ることがあります。
これに、胎児が大きくなるにつれて下肢筋肉への負担が大きくなることなどが重なって、こむら返りが起こりやすくなると考えられます。
こむら返りを伴う病気
頻繁にこむら返りが起こる、最近こむら返りの頻度が増してきた、小まめな水分補給などの対策をしても改善されないといった場合には、以下のような疾患が疑われます。
代謝の病気
糖尿病、腎臓病、肝臓病などの疾患です。
血流の低下、電解質異常などのリスクが重なり、こむら返りが起こりやすくなります。
甲状腺の病気
甲状腺機能低下症(橋本病)、副甲状腺機能低下症などの疾患です。
血流の低下、血中のカルシウム濃度低下などにより、こむら返りが起こりやすくなります。
血管の病気
下肢静脈瘤、閉塞性動脈硬化症などの疾患です。
血流低下、動脈の狭窄・閉塞などにより、こむら返りが起こりやすくなります。
脊髄の病気
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどの疾患です。
脊髄が圧迫されることで、坐骨神経に誤作動が起こり、こむら返りが起こりやすくなります。
こむら返りが起きた時の対処法
こむら返りが起きた時に注意すべきなのが、「急激に筋肉を伸ばすこと」です。筋肉が断裂し、肉離れに至ることがあります。
- 楽な姿勢をとり、できるだけ身体、脚の力を抜きましょう。
- ふくらはぎの筋肉を、優しく、ゆっくりと伸ばします。
- 足首を回すなどして、ふくらはぎの筋肉をリラックスさせます。
- 膝を立てた姿勢で、安静を保ちます。
また、芍薬甘草湯という漢方は、筋肉をリラックス作用があるため、こむら返りの対策として有効です。即効性があり、妊婦さんでも服用していただけます。
足りていない栄養素や摂取すべきもの
ビタミンE
ビタミンEは、強い抗酸化作用を持ちます。血流の改善、血圧の抑制、LDLコレステロール減少といった効果が期待できるため、こむら返りの予防・対策として有効です。
水分・ミネラル
水分やミネラルの不足は、こむら返りの原因となります。
夏場など、汗をたくさんかいた時にはしっかりと水分・ミネラルを補給しましょう。水分は、喉の渇きを感じる前に、小まめに摂取するのがポイントです。
水分とミネラルを一緒に補給する場合には、スポーツドリンクが有用です。