むくみ・足のむくみ

むくみ・足のむくみについて

むくみ・足のむくみについてよく眠れなかった、お酒を飲み過ぎた、1日中立ちっぱなしだったなどで、「むくみ」が気になったという経験がある方も多いのではないでしょうか。こういったむくみは通常、時間が経過すれば自然に解消されます。また基本的に、治療も必要ありません。
ただ、むくみが何日も続いている、毎日むくんでは治まりを繰り返している、他の症状を伴うといった場合には注意が必要です。

全身に現れるむくみ

むくみは、手足、顔、胸、背中など全身に現れます。その中でも頻度が高いのが、足です。
特に、手や足の片側(右側だけ、左側だけ)にむくみが生じている場合には、何らかの疾患を原因としている可能性が高くなります。

むくみのメカニズム

むくみは、毛細血管から細胞間へと流入する水分の量が増えたり、毛細血管・リンパ管に吸収される水分の量が減ることで発生します。
足のむくみについては、何らかの原因によってふくらはぎの筋肉の「ポンプ機能」がうまく働かない場合に起こります。肺・心臓に戻る血流が下肢に溜まることで、むくみが生じるのです。

受診はすべき?症状チェック

むくみは、誰もが一度は経験している症状です。それゆえに、本来であれば受診が必要であるのに受診しない・受診が遅れるといったケースも見られます。
以下、受診の目安をご紹介いたしますので、参考になさってください。

急いで受診するべき症状

  • 身体の片側(左側だけ、右側だけ)にむくみが出ている
  • 普段通りに生活する中で、急にむくみが出てきた

早めに受診するべき症状

  • むくみがなかなか治まらない
  • 毎日、むくんでは治まりを繰り返している
  • むくみ以外にも症状がある

むくみやすい人の特徴と原因

よくむくむという人もいれば、ほとんどむくみを経験したことのない人もいます。
その違いは、どこにあるのでしょうか。

長時間同じ姿勢で過ごす

長時間の立ち仕事は、むくみの代表的な原因と言えるでしょう。ふくらはぎのポンプ機能がうまく働かず、特に足にむくみが出やすくなります。また、座りっぱなしであっても同様の症状が現れることがあります。

運動不足

慢性的な運動不足は、血流の低下、筋力の低下を招きます。いずれも、むくみのリスク要因となります。
年齢を重ねてからも筋力を維持するためには、意識的に運動を取り入れる必要があります。

過度なダイエット

食事を抜くような過度なダイエットは、栄養不足を招き、筋力低下や貧血を引き起こします。
足のポンプ機能が正常に働かず、足のむくみが出やすくなります。

飲み過ぎ

アルコールの作用として、血管内脱水があります。飲み過ぎによって血液の濃度が高くなると、身体は血管内に水分を送り込みます。この際に取り込んだ水分が、むくみの原因となります。

自律神経の乱れ

自律神経の乱れは、水分の代謝の低下を招き、むくみの原因となることがあります。
自律神経の乱れの原因には、ストレス、睡眠不足、不規則な生活リズム、ホルモンバランスの変化などが挙げられます。

冷え

身体が冷えると、血流が低下します。水分・老廃物が正常に排出されないことから、むくみを引き起こすことがあります。

塩分の取りすぎ

塩分は、水分を抱え込む性質があります。塩分の摂り過ぎによって、身体の中に水分が溜まり、むくみを引き起こします。

ビタミン、ミネラル、タンパク質の不足

ビタミンB1、カリウム・カルシウム・マグネシウム、タンパク質の不足は、むくみの原因になることがあります。

なぜ女性はむくみやすい?

なぜ女性はむくみやすい?女性は、男性と比べると筋肉量が少ないため、冷え、血流の低下などが起こりやすい傾向にあります。また足のポンプ機能も、男性と比べるとやはり弱くなります。
冷え、血流の低下、ポンプ機能の不足は、いずれもむくみのリスク要因となります。こういった下地があるため、女性は比較的むくみが出やすいということが言えます。また、足を出す服装・締め付けの強い服装をする機会が多いといったことも、多少なりとも影響するものと考えられます。

むくみを伴う病気

心臓の病気

心臓の病気によってポンプ機能が正常に働かない「心不全」になると、全身の血流が低下し、むくみが起こりやすくなります。

腎臓や肝臓の病気

血液中に存在するアルブミンというタンパク質は、血管に水分を取り込む・排出するという役割を担っています。これにより浸透圧が適切に調整されています。
腎臓や肝臓の病気になりアルブミンの量が減少すると、血管内の水分量の調整がうまくいかなくなり、むくみを引き起こす原因となります。

甲状腺疾患

甲状腺機能低下症になると、全身の新陳代謝が低下します。これにより体内の水分の代謝もうまくいかなくなり、むくみが生じる原因となります。

リンパ浮腫

リンパ節を切除した後などに、リンパ液の流れが滞ることで生じるむくみです。リンパ浮腫が悪化し、リンパ管炎を合併することもあります。

下肢静脈瘤

脚の静脈にある逆流防止弁の異常、ポンプ機能の低下などによって、静脈が瘤のようにボコボコと盛り上がったり、透けて見えたりする病気です。その症状の1つとして、むくみを伴うことがあります。

深部静脈血栓症

食事・水分を摂らずに長時間窮屈な姿勢で過ごすことにより、静脈に血栓が生じる病気です。下肢(片側)のむくみ、腫れ、痛みなどの症状をきたします。
血栓が下腹部・太もも、膝を走る深部静脈に詰まると、重症となります。また肺に詰まった場合には、肺塞栓症に至ります。

むくみを自分で予防する方法

疾患を原因としないむくみについては、以下のような方法による予防効果が期待できます。

  • 塩分を摂りすぎない
  • アルコールを飲み過ぎない
  • 適度な運動(特に下肢をしっかり鍛える)
  • ふくらはぎのマッサージ、ストレッチ
  • 十分な睡眠を確保する
  • ストレスをうまく解消する
  • 医療用弾性ストッキングを着用する
  • 身体を締め付ける服装、身体を冷やす服装を避ける

即効性のある顔と体のむくみ解消法

顔のむくみ

ホットタオルで温める

ホットタオルを顔に当て、血行を促進することで、むくみの改善が期待できます。
ホットタオルは、絞ったタオルを電子レンジで1分ほど温めることで簡単につくることができます。

クリームを使ったマッサージ

クリームを使って、顔の中心から外側へとマッサージをします。
入浴後などに行うと効果的です。

洗顔を工夫する

冷水とぬるま湯を交互に使い、血管の収縮・拡張を促します。

体のむくみ

ストレッチ

ストレッチは、血流やリンパの流れを改善します。
継続することで、予防効果も期待できます。

クリームを使ったマッサージ

クリームを使って、むくみのある部分をマッサージします。
心臓から遠い位置→近い位置へと血液・リンパを押し流すようにマッサージをすると効果的です。

入浴して全身を温める

身体をあっためると、血液・リンパの流れが良くなり、むくみの改善が期待できます。
ぬるめのお湯に、やや長く浸かるのがおすすめです。

検査と治療について

検査と治療について問診、視診、触診の上、必要に応じて超音波検査、血液検査、尿検査、レントゲン検査などを行います。
むくみの原因となる疾患が見つかった場合には、各疾患に応じた治療を行っていきます。また疾患が見つからなかった場合も、ご自宅でできるむくみ対策を指導した上で、経過を観察していきます。
より精密な検査、高度な治療が必要になった場合には、しかるべき医療機関へと速やかにご紹介いたします。